
送迎会の利便性
関内駅から港に向かって徒歩5分ほどのオフィス街。
ハマの中心部での出店は、Wが学生時代から描いていた夢だった。
目指すのは、生活に結び付いたベーシックな飲食業態。
開店前のミーティングでWは、下北沢店不振の打開策として始め、1989年から事業化。
91年には売り上げの対前年度比伸び率が20%を超え、直営店11、FC店3に規模を広げた。
景気低迷の影響をまともに受け、92年以降、経営が悪化した。
ビルの6、7階には有名なディスコ「Mハラジャ」が入っていて、行き帰りの客を当て込めるもくろみもあった。
居酒屋T8のフランチャイズ(FC)店を経営するW商事とは別の株式会社W(現Wフードサービス)を設立、自社ブランドで展開することにした。
幹部社員を大阪、広島に派遣、研究を重ねた。
ワインボトルを並べた高級レストラン風の店の雰囲気と、庶民の味、お好み焼きの取り合わせが人気を呼んだ。
ファッショーンや味にうるさい若い女性客を中心に、順番待ちの長い行列が店外まであふれた。
関内店の成功は、大手製粉メーカーN製粉との資本提携を生む。
外食産業への進出を狙っていたN粉の資本参加と信用力をバックに、唐変Kの店舗展開にも弾みがついた。
87年8月、新宿店。
11月、吉祥寺T急店。
12月、下北沢店オープン。
翌88年5月には、藤沢でFC1号店、10月、渋谷道玄坂FC2号店と続いた。
客の入りが1日9回転もした新宿店。
T急デパートとの業務委託方式をとった吉祥寺T店も当たった。
ところが下北沢店だけは、予想外の展開を見せる。
抜群の立地条件にもかかわらず、開店初日から閑古烏が鳴いた。
年末という開店時期の悪さを考えても、信じられない事態だった。
再三のてこ入れ策にもかかわらず、下北沢店は軌道に乗らなかった。
結局、バブル崩壊後の94年9月、27店まで拡大したお好み焼きチェーンの全面撤退にまでつながって雰囲気やサービス面で付加価値を付け、高単価でお好み焼きを売る新方式。
好景気の時はよかったが、不況には弱い業態だった。
唐変木店の隣に、とんかつ屋があった。
バブル期には同じだった売り上げが崩壊後、とんかつ屋の半分になってしまった。
初めは全く理由が分からなかった。
「とんかつなら千円出しても惜しくないが、お好み焼き2千円はいやだ」という客の声を聞き、目が覚めた。
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